2019年 10月 22日 12:00
SB工藤公康監督、管理型で反発する選手多いが来季続投は濃厚
2000年以来となった巨人対ソフトバンクの日本シリーズ。19年前、原辰徳・監督はヘッドコーチとして、工藤公康・監督は投手として、どちらも巨人に在籍していた。時は流れ、2人は押しも押されもせぬ名将となり相見えたが、両チームのベンチ内ではどうやら不穏な空気が流れている。
就任1年目からリーグ優勝を成し遂げた巨人の原監督だが、日本一を目指す戦いの直前に鈴木尚広・一軍外野守備走塁コーチが「一身上の都合」として退団を発表。これまでにすでにファームで6人のコーチが退団になっており、その他のコーチとの関係も円滑とは言えないようだ。
また、巨人の長年の懸案「正捕手問題」も意外な展開を見せている。シーズン序盤から炭谷銀仁朗(32)、小林誠司(30)、大城卓三(26)の併用が続いたが、終盤になって重要な試合での起用が多くなったのが大城だ。若手の台頭はチーム内に軋轢を招きかねない。
不穏な空気は投手陣にも広がっている。不調のエース・菅野智之(29)がチームで浮いているため、「若い選手たちは“(原監督の甥である)菅野さんがいると監督やコーチの愚痴も言えない”と敬遠しているようです」(巨人番記者)という。
対するソフトバンク・工藤監督はどうか。巨人・原監督はCSで絶好調の2番・坂本勇人(30)に送りバントのサインを出す驚きの采配を見せたが、工藤監督の“非情采配”はそれ以上だ。ソフトバンクでコーチの経験もある野球評論家の杉本正氏が言う。
「工藤監督はCSで、レギュラーシーズンで5年連続シーズンフル出場している松田宣浩(36)をスタメンから外し、“CS男”と呼ばれたかつての4番・内川聖一にもためらわず代打・長谷川勇也(34)を送った。
長谷川が同点タイムリーを放ち、松田に代わって抜擢された中村晃(29)や牧原大成(27)が結果を残したことで工藤采配は評価されたが、リスクも高かった」
リーグ優勝を逃しながらも2年連続でCSを勝ち抜けたのは、短期決戦の妙を知り尽くした指揮官の手腕によるところが大きい。しかし、工藤政権に強い逆風が吹いているという。ソフトバンク番記者が言う。
「管理型で細かいところにまで口を出す工藤監督に反発する選手は多い。昨年までは達川光男・元ヘッドコーチが監督と選手の間で潤滑油となっていたが、達川氏の退団で選手たちとの距離は大きくなっていった。